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2020.07.18

事業承継を受ける側が抱える3つ不安要素と解決策

事業承継を受ける側が抱える3つ不安要素と解決策

自己紹介

はじめまして。

杉本 圭也(すぎもと けいや)と申します。

20歳の時に運送会社に就職し、トラックドライバーからはじまり、倉庫作業員(フォークリフトオペレーター)、経理、労務、営業と配置転換を経て親族外承継(先代と血縁関係がない事業継承)により代表取締役に就任しました。そして、その多くの失敗や経験を活かし、自らの会社を経営する傍ら小規模運送業者並びに小規模事業者に特化した経営アドバイザーとして取り組んでおります。

事業承継の種類

① 親族内承継

② 親族外承継 ← ちなみに私がこれです。

③ 社外承継(M&A)

それぞれの事業承継を行う上で、必要な共通点は企業価値を高め、継ぎたい会社、魅力ある会社であってほしいのは当たり前ですよね?

しかし、それはどちらかと言えば継がせる側にとって大事な事ですが、今回は事業承継予定者、つまり継ぐ側が抱える不安を解消するヒントをお伝えしたいと思います。

自信満々は逆に危険!承継する自信がないのは当たり前

あなたは、こんな事に悩んでいませんか?

親が社長だから、いずれ僕(私)が承継するのだろうけど不安・・・

承継したいけど親との意見が全く違う・・・

経営?まったく興味も自信もない・・・

事業承継する方の多くは「不安」を抱えています。事業を行っているが経営する自信がない、また事業承継を迎えるが不安を感じているけど、見て見ないふりをしている。

多少社長という憧れも持ちながらも、計り知れない苦労が立ちはだかるのではないかと不安を感じておられるのではないでしょうか?

でも大丈夫!

それが当たり前です!

逆に不安がなく自信満々な方は私から見ると少し怖いです。

自分自身のマネジメントスキル、社員さんや取引先または取引金融機関の目・・・

経営者として社長として認めてくれるのだろうか?

先代はこうだった、素晴らしかった・・・

周りから聞く声がプレッシャーに感じる。

これを読んでいただいているという事は、少しでも承継の可能性がある方だと存じます。

ここで持論として、やはり経営者(社長)になる人は創業、承継問わず経営者(社長)になるようにできていると思います。

焦らず、まずは一つ一つ不安要素を取り除いていきましょう!

最初の一歩、事業承継において自身の不安要素をしっかり理解する

事業承継を受ける側の不安とはなんでしょうか?

大きく言えば 3つ です。

① 社員さんはついてきてくれるのだろうか?

② 自社の数字が理解及び把握ができていない

③ そもそも経営って何をしたらいいの?

一つずつ見て行きましょう。

事業承継不安その①:社員さんはついてきてくれるのだろうか?

「先代と比べられる」

「社長らしくない」などの社員さんの声

やはり社員さんの目が気になりますよね?

私もそうでした・・・

新しい取り組みをすると

「前の社長はこんな事をさせなかった」

「今の社長のやり方についていけない」

実際私も4名もの退職者が出ました・・・

社員さんに白い目で見られる事も多く、やりきれない気持ちもありますよね。

しかしながら、そんな事は時間が解決するので気にしないのが一番です。

それより、自分が何のために事業承継するのか?何のために経営を行うかを整理しておく事が大切であり「目指すべき会社」を見据え前進しなければなりません。

例えば・・・

・社員さんを今より〇〇名に増やす

・笑顔が絶えない明るい会社にする

・とにかく利益が出る会社にする

なんでも良いと思います。

将来こんな会社の社長になりたいって想像しながら考えてみて下さい。

自分の過去を振り返り、どんな想いでここまで歩んできたか?

ターニングポイントなど、これまでの自分の人生を振り返りどんな価値観で生きてきたのか?

そして、これからの「目指すべき自分」「目指すべき会社」を見据え突き進む社長の姿を社員さんは見て判断します。

ワクワクしませんか?自分の「目指すべき会社」を少なからず社員さんに理解してもらい、共に歩んでくれるのを想像すると・・・(ワンピース的な)

これがいわゆる「経営理念」となります。

忘れがち・・・だけど大切な事「先代社長と話し合う」

非常に重要なのは先代社長と話し合う事です。

自分の夢や会社に対する想いを話してください。

先代社長との想いの擦り合わせを行う事が大切です。

「変えるべきところ」「変えるてはいけないこと」

「すること」「しないこと」

私はこれを想いの整理整頓と言っています。これが後に重要な作業だと感じますので必ず実行しましょう。

なぜなら、承継予定者がムダだと思っていることが、実は先代社長が大事に守り続けた事かもしれません、先代の信念を捻じ曲げる事は決してやってはいけません。

また、先代社長は承継予定者の想いや不安を深く理解できておりません。

なので互いの想いを紐解いていく、双方の想いのズレが出てくるとスムースな事業承継が行われません。

後から「そんな事は聞いていない!」「いや言っていた!」なんて事にならないようにしましょう。

そうなれば、社員さんのモチベーションは瞬く間に下がります。

取返しがつかないようになる前に

「想いの整理整頓」

是非やってみて下さい。

創業者の方は生みの苦しみがありますが、承継者は先代社長達が築き上げられた想いを守らなければなりません。会社が継続するに連れ守るべきものが多くなるのです。

先代社長軸から承継予定者軸へ変化させていくには?

ここで私がおススメなのは、先代社長軸から承継者軸に少しずつでもいいので変化をいれていく事です。

例えば朝礼や会議では積極的に前に出て、承継者が伝えるように努めて下さい。

そして先代社長は総括という立場で承継予定者の想いを汲みつつ、最後に締めていただく様な会議スタイルを構築すると、社員さんは口では言いませんが、少し軸が変わるのを実感していきます。

先代社長が話に乗ってくれるのか不安

実は、承継させる側、つまり先代社長も必死のパッチです!

なので協力はしてくれます。できる限り「先代社長を使い倒す」のが、承継する上で近道です。

何回も言いますが先代との「想いの整理整頓」は必ず・・・

事業承継の不安その②:自社の数字が理解できていない

自社の財務的な事は、自らがしっかりと逃げずに理解及び把握をしておかなくてはなりません。

しっかりと理解と言っても、税理士並みに会計簿記を極めるとかではなく、毎月の売上、毎月の費用、最低でも「どこからどのくらいのお金が入り」「どこにどのくらいお金が出ていく」のかは把握しておきましょう。

数字が苦手な人でもできる!数値戦略の第一歩とは?

毎月の試算表を作成されていますか?

作成されている方も多いと思いますが、最初は損益計算書からで良いです。

まずはそこから・・・

試算表を見る癖をつける事、また試算表を作成していない方もこのタイミングで作成や把握できるようにしましょう。

試算表を通じて知ったかぶりをせず、素直に先代に聞く、経理担当されている方に聞く、これを繰り返すと理解が深まります。その上で現状のムダな費用を抽出、自社独自の適正な値決めも実施できるようになり、数字上の強み、弱みを掴む事ができる。

これが私の数値戦略を行う最初の一歩だと考えます。

難しい計算式はありません!

足し算・引き算です。

私も学歴がない上に算数、数学は大の苦手でした。

数字を見ると眠くなるというアレルギー保持者ですが、経営に関する数字は感覚的なものに近く、そんなに臆さず立ち向かってみる事が寛容です。

理解が深まれば深まる程、楽しくなり、自社が計画通りに動けば「ワクワク」がとまりません!

事業承継の不安その③:そもそも経営って何したらいいの?

これは多くの人が理解できずにいる不安だと思います。

私は先輩経営者の方に「経営者の仕事は意思決定とチェックだ」とご教授いただきましたが、理解するまでに沢山の時間を費やしてしまった口です・・・

実際、事業承継予定者のみならず現役経営者の方も、経営ってそもそも何をするか理解していない方が多いと感じます。

私もそうでした。

現場で汗水を流す、営業も行う、経理もする、時にはトラックに乗車する、忙しくて「猫の手も借りたい」等、「このムダのないタイムスケジュールをこなす敏腕社長は俺だ!」って思っていた私でした。

誤解を覚悟で申しますと、これは完全な鈍腕社長です。

バリバリ何でもこなす社長が、なぜ鈍腕社長なのか?

まず、なんでもできる社長ってなりたいですか?

もちろんなりたい人もいるかと思います。社員さんにとっては神のような存在、否定はしません、素直にかっこいいです。

例えば、なんでもできる社長から承継を受ける側で想像してもらいたいのですが、やってみたいですか?汗水流していつもフル稼働、現場から帰ってくれば事務作業を深夜までやっている姿を見て、「僕(私)もあんな社長になりたい!」って思いますか?

正直私はなりたくありません・・・

「あんなしんどい目にあうなら従業員でいい」

むしろ「この社長がいる限り、この会社は安泰だ!」ってなりませんか?

これが最大のミスです。

社長は神様ではありません「普通の人間」です。

私の考えは企業である以上、役割分担できる仕組みを構築し、個々の職務・職責を全うできる組織、任せる勇気、失敗させる器を持ち、余裕ある社長になってみたいと私は個人的に思います。

・前者のなんでもできる、多忙な社長

・後者の時間を有意義に使って余裕ある社長

事業承継するにあたりどちらの社長になりたいですか?

後者の方が多いと思いますが、実際存在する社長は圧倒的に前者の社長が多いのではないでしょうか?

しかしながら、経営者の仕事はプレーヤーではなくマネージャーであることは忘れないで下さい。

会社を潰さない事が最優先です。

現場行ってましたので、資金調達できませんでした・・・なんて事にはならないようにしましょう。

このように社長がいなくても会社が回る仕組みを構築し、その上で社員さんの行動や成果をチェック。

ヒト・モノ・カネ・情報をいち早く取得し、正しい意思決定、正しいトップダウンを行う事が経営者の仕事です。

難しく聞こえますが、経営者も人間ですので「強いところ」「弱いところ」があります。弱いところは社員さんに補ってもらい、自らの強みを活かし、目先の事ではなく将来を考える事です。

社員さんに対する感謝や労う気持ちをもち、しっかりとした評価ができる社長でなければなりません。

なので自分自身の「強み」「弱み」

社員さんの適材適所を分析し、事業承継前に組織を策定する事も大切です。

将来の組織図を頭に入れ人材育成を図りましょう。

いろいろ書かせていただきましたが、事業承継はそんな怖いものではありません。

それより事業承継後の展開をどれだけ計画策定できるかが大切です。

まずは、自らの不安どころをしっかり把握し、「目指すべき自分」「目指すべき会社」を考える。

先代社長と想いの整理整頓を行い、想いの共有を図り、ベクトルを合わせる事で社員さんに納得してもらう。

自社の数値を把握、経営者として社長としての仕事を理解していく、将来を見据え舵をとれる組織を創造し、自らが目指すべき会社へと創り変えていきましょう。

まとめ

今回は事業承継を受ける側の不安要素を解決の糸口について書かせていただきました。

冒頭でも申しましたが、

将来自分がどんな会社の社長でありたいか?

自分はどう生きて行きたいか?

を今一度考えてみてください。

経営する目的が自分の生きる目的とリンクすれば、これからの経営者として歩んでいける大きな覚悟になるのはないでしょうか?

一歩を踏み出す勇気こそ自らの覚悟や自信に繋がります。

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